ロックンロールレコード~お茶の間に間に~のブログ

ロックンロールのレコードのお話し

愛犬ロッキー

※本文中やや

しげきのつよい表現がありますこと

あらかじめご了承頂き

お読みください


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当世ではわんこは家の中で

みんなと一緒に暮らす

小さな家族ですが

 

昭和の田舎では

外で鎖に繋がれた

番犬が当たり前

 

犬に種類があり

血統書なるものがありますが

 

昔は皆雑種

種類を聞かれることなど

あるわけもなく

 

どこの家の庭にも犬小屋があり

敷地に入れば吠えたてられるのが日常

 

食事というかエサは

晩御飯の残り物

余ったごはんに余ったおかずを乗せ

余った汁などをかけた

いわゆる残飯で

一日一食のみ

 

誰も散歩になんか

連れて行く習慣も常識も持ち合わせず

どこの家にも犬が飼われているにも関わらず

犬の散歩をしている人には出会うことなど皆無

 

なので時おり

脱走

 

鎖を外して

うろつくこともしばしば

 

首輪の有無が

飼い犬か野良犬かの判断材料

 

段ボール箱に入れられて

道端で鳴いている子犬も

よく見る風景

 

子供の頃

うちにも犬小屋があり

番犬が飼われていたわけですが

 

生まれた頃から

一緒に育ったロッキーは

恐ろしく凶暴で

 

図体がでかく

まだらな毛で

見るものを圧倒

 

こちらの姿を見れば

唸りをあげ吠えたててくるので

いつも恐怖でおののく

飼い主兼幼なじみ

 

玄関前の

コンクリート打ちっぱなしの駐車スペース

の右隅に繋がれていたので

自分の家に帰って来たというのに

コンクリートの左脇を

迂回気味に大回りで

ダッシュして通りすぎるのが日課

 

目を合わせないように心がけ

そ知らぬ降りからのダッシュ

 

吠える度に

重たいチェーンがジャラジャラといい

繋がれた杭がギシギシと軋みをあげる

 

そんなロッキーは

脱走を試みること

度々

 

上手く首輪から首を抜き

逃走を繰り返す姿は

パピヨンのマックイーンさながら

 

革製の

太さのある

ベルトのような首輪から

力ずくで首を引き抜き

町中を闊歩

 

家に帰ると

ロッキーがいないので

 

おかーさんロッキーおらんよー

と喜びを隠しながら伝えても

 

晩御飯には帰ってくるけん

と悲しいお知らせ

 

実際

ご飯時には犬小屋のところで

晩御飯を待っている始末

 

エサを食べていると

後ろから羽交い締めにされ

首輪を締め付けられ御用

 

暴れれば

ロッキーの食器である

ベコベコにへこんだ古いなべで

おもいっきしぶん殴られるも

 

それでも懲りずに

脱走を繰り返し

その度に

首輪が太くなったり

さらにギュウギュウに締め付けられたりで

 

ある夏休み

公園で毎朝のラジオ体操に勤しんでいると

列の後方が崩れ

悲鳴が

 

ざわつく喧騒と怒号に混じって

ジャラ ズル ジャラ ズル

と鎖に繋がれた杭を

引きずる音が

 

何あれ?

犬?

 

という声が聞こえても

僕は前を向いたまま

ラジオ体操を続け

けっして後ろは振り返りません

 

この頃のロッキーは

外れない首輪とちぎれない太くて重い鎖を

グルグル巻きにされた杭ごと引き抜いて

それを引きずって

脱走するのが定番のスタイル

 

こんな時は

ロッキーは吠えたりせず

ジャラ ズル ジャラ ズル

と鎖を引きずりながら

ゆっくりとウロウロしつつ

人々を睨み付けて

威圧してまわるだけ

なので誰も近づきません

 

ジャラ ズル ジャラ ズル

音が遠ざかるまで僕はラジオ体操を

 

ラジオの音楽が鳴りやんでも

僕のラジオ体操は終わることはなく

 

あれお前んちの犬じゃねぇ

と聞かれても

 

見てないけんわからん

と言い逃れつつ

一人ラジオ体操を続ける

 

遠くから微かに

ジャラ ズル ジャラ ズル と

微かな悲鳴が

 

ある時

おばあちゃんの家の

シロをあずかることになり

 

家の奥の庭のほう

ロッキーとは反対側に繋がれ

顔を合わすことはなく

 

預かって来た数日後の朝

キャウ~ン . .

という犬の悲鳴が弱々しく響き渡る

 

犬小屋にはロッキーの姿はなく

庭に行くと

シロの首をくわえ

シロが抵抗するも

ロッキーはシロの首を咥えたまま

微動だにせず

 

両親がバットで殴りつけようが

ホースを口元につっこみ

水を勢いよく流し込もうが

どんなにひっぱたかれ鎖を引っ張ろうとも

揺るぐことなく

シロの首をくわえたままで

 

シロの鳴き声はだんだんと弱々しくなり

次第に鳴き声もやみ

首をくわえられたままぐったりと

 

両親が途方に暮れ

諦めても

ロッキーは

シロをくわえたままで

 

数時間後

ロッキーは姿を消し

残されたシロは

もう動くことはなく

 

晩御飯には戻ってきたロッキーを

なべで何度も殴る音が

夜の田畑に響き渡って

 

それから数日後

ロッキーの姿がなく

 

ロッキーは?

と尋ねると

 

老衰した

と振り向きもせず

母が一言

 

昨日まで

元気に吠えて

威嚇してきていたロッキーは

シロと同様に

庭先の草むらに埋められ

 

それから数年後

 

高校生の時に

 

家で犬を飼うことに決まったと

 

家族から伝達された時には

 

言葉を失いました

 

 

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