ロックンロールレコード~お茶の間に間に~のブログ

ロックンロールのレコードのお話し

天パー と スピーカー

中学生になると

自分のみてくれが気になるようになり

いつもの床屋さんでの

スポーツ刈りという名の丸坊主

刈られていたのが

少し遠くまで足を伸ばしてまで

美容院に行くようになってりして

 

いざ髪を伸ばして

テレビに出てくるカッコつけた連中のような

小洒落た髪型に

と思いきや

伸びても伸びても

降りてこない前髪は

眉毛を通過することはまかり通らず

 

サラサラの前髪をかき上げて

と上げたが最後ハラリと降りてくることはなく

伸びれば伸びるほど

頭の大きな人に

 

それは

天然パーマというやつで

自転車通学につき

雨の日にはうねりを増し

ひとまわり大きな頭となるわけで

 

その上ヘルメット着用で

カチンコチンの塊の出来上がりで

 

ブラシをさしても中ぶらりとなり

絡み合ったしげみは

とかすのも容易ではなく

 

自分の顔の造りなどさておき

髪型がままならないのが

どこかの戦争よりも

最重要課題となるわけで

 

そんなコンプレックスを携えて

生きて行くしかないのかと

絶望する中学生も

 

大人になるとそれなりに

天パーとの付き合い方も見いだし

できる範囲でのかたちを選択することで

折り合いをつけ

 

それ以前に

髪型だけ頑張っても

自身の容姿には問題は山積しており

似合おうが似合うまいが

自分というものを確立すれば

それで良しということで

あとは気分次第となり

徐々にてきとうになっていくもので

今では自前でバリカンカットなのですが

 

天パーというジャングルは

うねうねとからみあって

ブラシすら落下を免れるほどで

分け入れば

脱出も容易ではなく

 

音は空気の振動で

部屋の壁やら床やらにぶつかり

反響音はぶつかり合って

響きが濁り

 

スピーカーの箱の中も小さな部屋で

箱の内側で音がぶつかり合って

音が濁るので

綿をつめて

音を吸収させ

音を整えてあり

 

綿の中の

細かくもつれているところに入ると

音も容易には出てこれず

紆余曲折を経て

空気の波は整えられ

 

やみくもに詰め込めば

つまらない音にもなりかねず

薬にも毒にもなりうるわけで

 

ライブ会場やスタジオなどで

つまみだらけの機械を

むつかしい顔で上げ下げしているのと

要は同じなのですが

 

どこが何とは書かれておらず

つまみもついていないので

自由という恐怖を

堪能することとなるわけで

 

箱の概念をほっぽって

全体で大きなひとつのスピーカー

という構想に基づき

100円ショップの手芸コーナーにて

フェルトを買い占めては

あっちゃこっちゃに配置しており

 

ついには

迷路の天蓋を覆う幕となり

いよいよの合体変形により

巨大スピーカー

ワイルドロケットバンチとなり

 

そこから放たれる音の塊も

当然

巨大な塊の

キャノンボールとなって

ぶちかまされるのであった


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